2012年12月21日金曜日

究極の筋量 vol.20 1hour non-stop trainning (一時間連続のトレーニング)

トレーニング時間が限られている。今日もごくわずかな時間しかトレーニングに裂けない。
社会人であればこんな悩みは一度ならずともあるはずだ。

過去のトレーニング記事を貪り読んでみるとアーノルド・シュワルツェネッガーの記事にこんなものがあった。

「今日のトレーニングはあれと、これと、それとを合わせて60セット。これを一時間で終わらそう、と思ってジムに入ると、余計なことを考える時間などはない。猛烈に筋肉を追い込んでいくだけだ。」

さらにはアーノルドのトレーニングは昔ながらのピラミッドセット法にスーパーセットを加えたもの。

徐々に重量を上げながらノンストップでトレーニングを推し進めていく。スーパーセットを用いることで、いま鍛えている筋肉とは反対側の筋肉は休んでいる。この仕組みを利用してノンストップトレーニングを可能にしているのだ。

ただし。

これを支えるのは人並み外れた心肺機能。つまりは日々の有酸素運動がこのノンストップトレーニングを支えている。短時間で追い込むアセンディングセットは猛烈なパンプをもたらす。

HIT(HIGH INTENSITY TRAINING)に始まる低ボリューム、高強度セットも良いだろう。しかし、アーノルドのやり方もかなりの強度であるし、そもそも、1セット法だけが"高強度"である、とは限らない。

強度の定義はごく個人的なものだ。

この一時間ノンストップのトレーニングをぜひ試してみて欲しい。
最初は自分の心肺機能の低さに愕然とするかもしれない。しかし、続けていくうちに心肺能力が上がり、ノンストップトレーニングを行っても呼吸が安定し始める。
余計なことは考えなくても良いのだ。自分の立てた計画、筋肉を発達させるためだけの作業をきっちりとこなす。

こうなると、あなたはトレーニング強度を大幅に増大させ、次から次へとセットをこなしていくことができるのだ。そうなれば、筋肉にとってははたまったものではない。なぜならば筋肉がNoと言ってもあなたがYesという限り、筋肉には地獄の責め苦のようなトレーニングが課せられる。

そう究極の筋量を得るためのペインゾーンへの扉がまさに開かれたのだ。

2012年12月8日土曜日

究極の筋量 vol.19 トップビルダーが行う究極のダンベル・ロウとは?

全日本選手権で活躍中の木澤選手のダンベル・ロウのフォームをビデオ、書籍(雑誌)で確認していたときに昔、マッスルアンドフィットネス誌に掲載されていたマイク・クインのダンベル・ロウのフォームに酷似していることを思い出した。

芝刈機のエンジンをかけるイメージ、とマイクは言っていたが、日常的に芝刈機がでてくるところがいかにもアメリカ。

ダンベルは直線的にではなく弧を描くような感じで広背筋下部めがけて引きつけると良いようだ。

マイク・クインのトレーニングは驚くほど初期のドリアン・イエーツのトレーニングに似ている。

ウォームアップセットを1セット、または2セット。筋肉が温まったと感じたら、極限重量で6repできる限界のものを扱う。これを数セット。当然、1セット目で扱えた重量は2セット目では使えないので、重量は少し落ちる。

これで、この種目はおしまい。

こんな感じで数種目。

2種目目は1種目目で筋肉が十分動かせる状態なので、動きの確認をしたあとはいきなりの高重量。

基本的にはディセンディング方式。トレーニングは一時間で終了。時計をみなくても体内のアミノ酸が枯渇した時点で感覚的にこうなるのだとか。

マイク・クインにしろメイク・メンツァーにしろ、マイクと名の付く人はみなヘヴィー・デューティ的なトレーニングを好むのだろうか?(笑)

ところでマイク・クインなのだが、私の好きなボディビルダーの一人。
Mr.USAで優勝したあとはMr.Olympiaに出場。いきなりイタリア・リミニで6位に入賞する。
脚部が少し弱いが空をも飛べそうな広背筋が武器。
トレーニングもパワーでガンガン攻めるもので短時間でオールアウト。
広背筋についてはチンニングはウォームアップとして。とにかくロウイングと言っていたのを思い出す。手足が短かったのでおそらくこうなったのだろう。



2012年11月2日金曜日

究極の筋量 vol.18 大胸筋内側を鍛える3つの方法

自宅でトレーニングをするのに「ジムでないとあのマシンがない・・・」などと言い訳をしていないか?自重トレーニングでも相当なことができる。


鴨居(かもい)に指を引っ掛けて懸垂ができるではないか。スクワットラックがなくてもバーベルをクリーンアンドプレスさえできればそれを担いでスクワットができる。

トレーニングとは創意工夫。ないものは作る。あるものを工夫して使う。昨今のトレーニーの甘さたるや・・・トホホである。



大胸筋内側を充実させるエクササイズをいろいろ試していたのだが、

オルタネイト・ダンベル・ベンチプレスはどうだろう。



普通のダンベルベンチプレスの要領ではあるが、片方を上げたときにはもう片方はボトムポジションでストレッチ。上げきったダンベルは通常、両手で行うとダンベルが当たるが、オルタネイトで行うことで、ダンベルを身体の中心まで持ってくる(つまり、こぶしの位置が身体の中心までくる)ことで、大胸筋内側をギュッと絞り込むことができる。



また、ボトムで待機している側は強制的にストレッチされた状態を保持しているので、筋緊張時間がおのずと長くなる訳だ。

これを続けることで私の大胸筋内側の筋肉量は充実しマスキュラーポーズをとったときの大胸筋のストリエーションはまさにシュレッディド!最高である。



さらにはダイヤモンド・プッシュアップ(要は両手を揃えての腕立て伏せ)をスーパーセットで行えば大胸筋内側に対してはかなりのパンプ感が得られる。
ペックデッキフライマシンなんかなくても、なんとでもなるさ。トレーニングは工夫次第。



また、最近ハマッているのがケトルベル・ベンチプレス。
ダンベルのように横幅がないので、ウエイト同士がぶつかり合うことがない。トップポジションで大胸筋を十分収縮させることができる。
そしてボトム・ポジションではダンベルよりもさらに大胸筋をストレッチすることができるのだ。
まるで、フライとプレスを同時に行っているような感覚。

ぜひ、試してみてほしい。強烈なパンプ感を得ることができるハズだ。



究極の筋量 vol.17 加圧トレーニングで究極のパンプアップ!

2ヵ月ほど前に高重量のバーベルプルオーバーを行っていた最中に左の肘を痛めた。
重量調節式ダンベルで自宅でできる最高重量が50kg。
パワーブロックで片方42kg。
ツーハンズダンベルプオーバーでもよかったのだが、いつもと違う刺激をもとめて高重量のバーベルプルオーバーにトライしたのが怪我の原因。

痛めた直後はよかったのだが、日々の肉体労働とトレーニングで痛みが慢性化。

思うようなトレーニングができない日々が続いたので、これはいかん、ということで加圧トレーニング。

加圧トレーニング発案者の佐藤氏の実験によれば痛めた部分も加圧トレーニングを続けることで、痛めた時以上に回復させている文献が見て取れたので、これはスゴイ。

そして、現在。佐藤氏のおっしゃる通り肘の痛みは減り(まだ完全ではないが)、使用重量こそ軽めではあるが、全身のトレーニングは問題なくできる。

さらに、トレーニング時のパンプ感がものすごい。そして加圧ベルトを外した時の血流が一気に来る感覚。

うーん。佐藤氏恐るべし。

筋緊張時間を長くする、という最近のはやりから考えても、加圧トレーニングの理論は的を得ている。筋肉を自在にデザインし身に纏うということが簡単にできる、と何かに書いてあったがあながち根拠のない話ではない。

そもそも、究極のトレーニングとは究極の筋肉を身に纏うというもの。成長ホルモンを最大限に出させる、スーパーパンプをもたらす加圧トレーニングに賭けてみても良いかも知れない・・・。

2012年9月21日金曜日

究極の筋量 vol.16 究極の戦士を作り出すトレーニング

心肺機能を高め、血液を全身に駆け巡らせる。
ポンプ作用により末端まで送り届けられた血液は血管を破裂しそうなほどに膨らませ体内を突き進む。

怒涛のごとく、流砂のごとく、狂わんばかりに暴れまわる血流を心臓が作り出す。

この血流(龍)を作り出すのはそう、心臓。

心臓もまた筋肉でできており、この心臓の鼓動が筋肉を作り出す。

ならば。

固定自転車などでなまっちょろいカーディオエクササイズなど20分間やってみたところで、暴れる龍を操ることなどできはしない。まして、体内から噴き出る魂の迸りを押さえつけるにはぶっ倒れるほどに身体を酷使するしかない。

カーディオエクササイズにはヒンズースクワットを1時間。またはケトルベルスナッチを1時間。
この2つの究極のエクササイズは気力、体力、精神力が伴って初めてできるものだ。

スクワットを例にとるならば軽く1000repは超えるだろう。
メガレップトレーニングを思い出して欲しい。

大腿部は恐竜のように膨れ上がり、心臓は通常の数倍の鼓動を余儀なくされる。

スナッチならばどうだろう。手のひらの皮はむけ、血が滲むかも知れない。

しかし1時間のこのトレーニングを完遂することができるならば、あなたは究極の戦士として迎えられるだろう。

カーディオエクササイズを単に軽い有酸素運動だと解釈していないか?
固定自転車をこぐだけで心臓が強くなるのか?そんな訳がないだろう。

カーディオエクササイズ。絶対的な目標設定と、それを達成する強靭な精神。
これは究極の戦士を作り出すトレーニングである。


2012年8月21日火曜日

究極の筋量 vol.15 レジスタンス・トレーニング

究極の筋量を身に纏ったとき、あなたはトレーニングを続けるのだろうか?

目標とする筋肉を手に入れたとき、それでも、さらに、もっと、とトレーニングを続けるのだろうか?

そもそも、ウエイト・トレーニングを続けるのはなぜだろう。究極の筋量をその身に纏うためではないのだろうか。筋肉を手に入れたとき、あなたはトレーニングをやめてしまうのだろうか。
それとも、その筋肉が萎縮するのを恐れ、永遠にトレーニングを行う修羅の道を選ぶのだろうか。

究極の筋量さえ手に入れることができるのならば、トレーニングの方法はなんでも良いはずだ。
80cmの大腿部を手に入れるための方法が自転車をこぐことであれば、なにもスクワットをする必要はない。

さらに言えば、ウエイト・トレーニングをレジタンス・トレーニングとするならば、バーベル、ダンベルでなくても良い。負荷を身体に掛け、筋肉が適応すれば良いのだ。

数年前、相次ぐ出張でジムへ行くことができなくなったとき、どこでもトレーニングできる方法を模索していたころに出会った本が”究極の筋力トレーニング”というものだった。

アイソメトリックを基本としているが、内容が実践的であり、これを実行することで、実際に筋量アップしたからこそ、トレーニングはどこでも、どうやってでもできる、ということを実感した。

本文の中ではプロレスラーが著者に対して、ウエイトなしで著者の体型が維持できるのならば、ぜひともその方法を教えてほしい、と言っている。プロレスラーも巡業などで決まった場所でトレーニングできない場合が多々ある、とのこと。

バーベル、ダンベル、グリッパー、ケトルベル、etc

身体に日常以上の負荷をかけて強くしていく。これこそが究極のトレーニングである。

加えて、若木竹丸氏はこうも言っている。
いつでも、どこでも、ひとりででもできる。器具を用いるのであれば手に入りやすく、それも安価で行えること。

昨今、フィットネスジムのビジター料金が高いのに辟易している。一回のトレーニングに3000円近く出すのはいかがなものだろうか?

ついついホームジムで究極を目指すものである。



2012年8月1日水曜日

究極の筋量 vol.14 メガレップトレーニング

燃え尽きるような感覚。灼熱の筋肉。張り裂けるほどの猛烈なパンプ。成長ホルモンがとめどなく溢れ出す究極のトレーニング。

それがメガレップトレーニングだ。初めてメガレップトレーニングの記事を見たのはローリー・レイデルマイヤーが記事にしたためたものだったと思う。

誤解してはならないのは、軽すぎるウェイトでメガレップトレーニングを行っても全く意味がない、ということ。

チンニングを例にあげるとやり方はこう。

1.チンニングバーにぶら下がる。100reps行えるまで握力が持つのならストラップは使用しないこと。
2.チンニングを開始。
3.たとえば15repsで力尽きたとする。
4.100-15=85秒間の休息。この間もぶら下がったまま。
5.再びレップスを開始する。
6.10repsできたとする。
7.100-25=65秒間の休息。
8.これを繰り返し、トータル100repsになるまでチンニングバーからは絶対に離れないこと。

これはサディスティックに筋肉を責めあげる方法である。

実際にはアーノルドもこのやり方(休息時間は定かではないが・・・)でのチンニングをすすめていたし、アイアンマン紙に連載中のロン・ハリスもこのやり方を過去の記事で執筆されていた。
また、和製セルジオ・オリバーこと須江選手のすばらしいVシェイプはチンニングの賜物である。
彼は若かりし学生のころ、昼休みには友人と"うんてい"を使ったチンニングでレップス数を競いあっていたらしい。

特にチンニングでお勧めなのがスターナム・チンニングと呼ばれる、要はナロウグリップでニュートラルグリップ、身体を上げきったときにおへその下辺りに引き付けるチンニングだ。

この方法でチンニングを行うと、チンニングとローイングを一つのエクササイズで同時に行うような状態になる。

フランコ・コロンボなんかはこのチンニングも得意としていたらしいし、実際、彼は片手でのチンニングも難なくこなしている。これはものすごい筋力だ!

とにかく。

メガレップトレーニングを行うなら、軽すぎる重量で行っても意味がない。
精神力で肉体の悲鳴を無視して動作を行い続けることができるような種目を選ぼう!

2012年6月13日水曜日

究極の筋量 vol.13 使える筋肉はケトルベルで作る

究極の筋量を所持するスーパーヒーローが全く見せかけの筋肉であったなら、驚嘆の眼差しなど得ることはできない。

筋肉を身に纏う、極限まで肥大した筋肉を身に着けるということと、その筋肉を効率的、効果的に動かすことができる、ということは異なる。

なぜなら、極限まで筋肥大を求めるボディビルディング(筋肥大だけがボディビルではない、ということは断っておくが)では可能な限りトレーニングの対象筋を他の筋肉からアイソレートして鍛え上げるがために、全体の協調性という観点からは全くの逆のトレーニングが必要となる。

つまり、トレーニング対象の筋肉だけでウエイトを動かす、ということだ。

これに対して、日常生活や、スポーツ、緊急時、災害時など一般の人間が必要とするいわゆる「筋肉」というものは身体全体を協調させて動かす、動くことのできる身体が良しとされる。ここでは極限に肥大した筋肉を賛美するのではなく、その身体を自由自在に操ることが必要となる。

つまり、身体全体を使って筋力を発揮する、ということだ。

ではこの2つを同時に得ることは可能だろうか?

答えは可能だ。

これを実現するためにはウエイトトレーニングの行い方を工夫すれば良い。
筋肉を協調させて使用するトレーニングを行えばよいのだ。

もともと、ボディビルディングだけを行っていたが、先の記述のように、どうすればこの筋肉を連動させて使えるだろう、と考えたときにウエイトリフティングにたどり着いたのだが、最近のトレーニングジムでクイックリフトを行うためのスペースが限られているということ、指導者が少ないために正確なフォームの習得に時間がかかるということ、などから町のジムでのクイックリフトを断念し、ホームトレーニングでのみ、クイックリフトを行うようにしたのだ。

しかし、バーベルをクリーンするなど、徐々に重量が増え始めると、ホームスペースでは危険を感じるようになった。(140kgを自宅でクリーンしている姿を想像して見て欲しい)

そこで目に止まったのがケトルベルである。

ケトルベルで全身を鍛錬するようになってから、やはり身体全体を使うトレーニングの楽しさを体感し、実際に効果があることからこの有用性を実感している。

極太のグリップを握りしめているだけでも前腕は強制的に太くなる。
また背面部に対してのケトルベルの効き方は尋常ではない。

ケトルベルトレーニングでは主にバーベルやダンベルでは行わないトレーニングを行うのが良いようだ。

スイング、スナッチ、ウインドミル、ゲットアップ、ジャーク、ボトムアッププレス、オーバーヘッドスクワットなどなど・・・。

ボディビルトレーニングの日とケトルベルトレーニングの日を分けることで極限に肥大した究極の筋量を持つ身体を自由自在に動かすことができるようになる。これを試さない手はない。

ちなみに我が家にはケトルベルが16kg~50kg(いずれも天山クラシックシリーズ)まであるがこれは宝物だ。

究極のトレーニングプログラムにはぜひともケトルベルを組み込んで欲しい。



2012年6月10日日曜日

究極の筋量 vol.12 正しいフォームで行うフリーウェイトのすすめ

ビンス・テイラーのトレーニング記事でこんなのがあった。

「ウエイトを正しくA地点(始点)からB地点(終点)にまっすぐ動かす。筋力が落ちてきたら(つまり疲れてきたら)途中のC地点(通過点)までしか動かない。最後には全く動かすことができず、A地点のままである。」

これはどういうことかというと、反動などを用いてB地点へウエイトを移動させるために仮にD地点(軌道を外れている地点)を通過するような軌道をとると怪我につながる、ということだ。

もちろん反動を使うな、ということではない。チーティングであれ、フォーストレップスであれ、A地点からB地点へまっすぐウエイトを動かしているなら怪我をすることはまずない。たいてい、無意識であっても微妙にD地点へ軌道がそれてしまっている場合があるのだ。
この場合、怪我をする確率は上がってしまう。フォーストレップで補助者が軌道を変えてしまう場合があるがこれは最悪のケースだ。

激しくトレーニングするのとフォームを崩すのとは違う、ということを肝に銘じて欲しい。
反復練習によって身体に正しいフォームを叩き込むのだ。
どのような場合であっても正しい軌道を通るトレーニングを心がけねばならない。

チャンピオン達のトレーニングをビデオを見る機会があったら良く見てほしい。
結構チーティングを使っている人が多いが、この軌道を外さないという部分が卓越している。つまり、筋肉に効かせるということをマスターしているのだ。

欲しいのは究極の筋量であって痛みを伴う怪我ではないはずだ。

欲しいのは乳酸による焼けつくような痛み。筋肉の燃える感覚。怪我の痛みではないはずだ。


2012年6月8日金曜日

究極の筋量 vol.11 ビジュアライゼーション

20年以上前のマッスルアンドフィットネス誌にこんな記事が掲載された。

「想像力を生かしたボディビル」

ひとりでトレーニングを行う場合でも想像力を利用してあたかもトレーニングパートナーがいるかのようなトレーニングを行うこともできるし、ひとりでフォースト・レップも種目によっては可能である。

かのアーノルド・シュワルツェネッガーも自分の上腕二頭筋が盛り上がり、皮膚を突き破って山のようにそびえ立つようなイメージを描いてカールを行ったというし、トム・プラッツはスクワットのときにプレートどうしがぶつかってガチャガチャという音がエンジン音であるかのようなイメージをしたという。

想像力を生かしたボディビルとは自分がなりたいヒーローをまずイメージする。
(私の場合はドリアン・イエーツだ。)

そしてドリアンのトレーニング哲学、トレーニングスタイル、栄養摂取、カーディオ、プライベートに至るまで情報誌から読み取り記憶する。

そしてトレーニングのときに目を閉じ・・・。目の前にドリアン・イエーツが立っている姿を想像する。

そう、あなたのトレーニング・パートナーは偉大なるドリアン・イエーツなのだ。

今日は胸の日だ。インクラインベンチに横たわりウォームアップ。ウェイトを上げ下げするスピードはビデオ「ブラッド&ガッツ」で見たテンポの通りだ。

あなたのウォームアップが終わると今度はドリアンの番だ。巨大な大胸筋がみるみるパンプアップしていく。ここではあなたがリロイ・デービスなのだ。

プレートを積み重ねウェイトを上げ下げする。あなたのトレーニング・パートナー「ザ・シャドウ」は静かにあなたのレップを見守る。

そして本番セットだ。究極のパワーを発揮するあなたのインクライン・ベンチプレス。ドリアンが最後の数センチだけ指を添えようとするが、あなたの力強いベンチプレスはギリギリ助けを必要とすることなく、ラックアップすることができた。

今度はドリアンの番だ。あなたが見つめる中、淡々とレップを重ねていく。

休息時間はトレーニング・パートナーが種目を行っている間だけだ。

想像力を生かしたボディビルではこのようにして雑誌やインターネットから得たボディビルヒーローをあなたのトレーニング・パートナーまたはトレーニング・コーチとしてイメージングし、一緒にトレーニングを行うのだ。もちろん、すべてのトレーニングで一人のヒーローをイメージしても良いし、部位毎に、例えば広背筋はリー・ヘイニー、脚はトム・プラッツ、上腕二頭筋ならロビー・ロビンソンという具合にイメージしても良い。

もう、こうなってくるとトレーニングが楽しくて楽しくて仕方がないハズだ。なぜなら、トレーニングを行うたびにあなたには伝説のヒーローがトレーニング・パートナーとなってくれるのだから。

バーベルが折れそうなほどの究極のトレーニングを終えたあともあなたのトレーニング・パートナーはポージングのチェックを一緒に行ってくれる。

ポージングを行うのはそう、あのゴールドジムのポージングルームだ。(雑誌によく載っているやつだ!)

サイド・チェスト。「だいぶん、形になってきたね。でも肋間筋のディティールが良くない。もっとプルオーバーをやってみよう」

バック・ダブル・バイセップス。「大円筋をもっと張り出すように。肩甲骨をコントロールするんだ。」

アブドミナル&サイ「脚に力を入れて。そう。腹筋がダメだ。アブ・ローラーをもっとやりこもう。大胸筋の下部の輪郭がはっはりするようにもっとディップスを行わないと」

こんなやりとりを想像の中で行うのだ。

ちょっと気違いじみているかもしれないが、このやり方はあなたのボディビルトレーニングに奇跡をもたらす。

これが現在ではビジュアライゼーションという名前で世に広まっているトレーニングなのだ。
いつの日か、誰かのイメージング・ヒーローはあなたになっているかも知れない・・・。

2012年6月7日木曜日

究極の筋量 vol.10 ミスター・パーフェクト 苦手種目を克服する

もし、苦手種目があるのなら、その苦手種目にとりついてやろう。
その種目を溺愛し、トレーニングのたびにその種目を行う。
オーバートレーニングなんか糞くらえだ。完璧な肉体を目指すのなら、苦手種目があってはならない。
パワーリフターでありボディビルダーであるアメリカ、テキサスのジョニー・ジャクソンはとにかくシュラッグを行うらしい。いつでもシュラッグ。
あの恐竜のような僧帽筋の盛り上がりといったら尋常ではない!
もし、僧帽筋が弱点ならばシュラッグを徹底的に行うのだ。

バリスティックな刺激をもとめて始めたケトルベル。
当初、スナッチが難しく、何度も前腕にケトルベルを打ち付け、痛みと戦い、もういいや、やめた、としばらくスナッチをしない時期があった。つまり、苦手種目だったのだ。

しかし、アーノルド・シュワルツェネッガーの昔の記事を引っ張りだし、苦手種目からトレーニングを開始する、という記事を読んで奮起。

ケトルベル・トレーニングを行う際には必ずスナッチから行うようになった。

その甲斐があって今ではワンハンド・スナッチを32kgのケトルベルで連続20回できるようになった。
もちろん、調子の良い日、悪い日はある。重量を狙えない日は16kgのケトルベルでスキルを向上させるべくフォーム重視で回数をこなす。無駄な日など一日もない。

現在、40kgのスナッチに挑戦している。

もちろん広背筋は極度に肥大し、前腕は極太になった。ケトルベルを行ったことがあれば、32kgのケトルベルの遠心力がどれほどのものかおわかりだろう。

ワンハンド・スナッチは今では苦手種目ではなく、心拍数を上げ、肩、腕、背中を鍛える私のフェィバリット種目なのだ。

苦手種目を克服できればその達成感がさらなる向上心につながる。
これは筋力トレーニングに限ったことではないだろう。

もし、苦手種目があるのなら、その苦手種目にとりついてやろう。そして、トレーニングを行うたび、その種目から開始し、常に重量、レップスの向上に努めるのだ。
いつしか究極の筋量が身体に宿っているだろう。

2012年4月24日火曜日

究極の筋量 vol.9 永遠の厚みをもたらす究極のパワーエクササイズ

アーノルド・シュワルツェネッガー全盛の1970年代、彼らが求めたのは永遠の厚みであり、全体的な深みであった。それはボディビルディングエクササイズだけを行っていたのでは到達できないもの・・・。



当時のボディビルダー達はボディビルエクササイズとは別にパワーリフティング、ウェイトリフティングも同時に行っていた。



現代のボディビルダー達には見られない筋肉のデンシティの違いはここにある。



特に絶対に行っておきたいエクササイズはバーベルを用いたクリーンアンドプレスである。
これを行うことで背面部の筋肉すべてと筋肉を連動させて使う能力、バランスなどが一気に鍛え上げられる。ラットプルダウンなんかでは得ることのできない、筋肉の奥まで響くガツンとした刺激。


これこそがボディビルの醍醐味だ。



時刻は午前3時半。朝というよりは深夜に起きるとまずはコーヒーを飲む。
自宅のガレージにはヘビーウェイトが設置された自作のジム。そこで俺は今日も高重量に立ち向かう。
気温0度。凍てつくバーベルに両手が張り付きそうだ。バーにプレートをセットしてウォームアップを行う。クリーンアンドプレス。このエクササイズを行うと身体は目覚め始める。
1rep、1rep・・・。リストストラップなんかはもちろん使わない。
ウォームアップを終えると一気に重量を増やしていく。背面から見た背中は筋肉がはみ出し、まるで海底を縦横無尽に泳ぎ回る「エイ」のようにその筋肉を広げている。

前かがみになり、バーベルを握りしめる。ローレットの感触を両手に感じる。鉄の匂い。身体から昇る湯気・・・。


クリーン。背面の筋肉は一気に収縮し、カーフ、ハムストリングス、脊柱起立筋、僧帽筋、広背筋、首までの筋肉が一斉に協調し、この高重量を地面から空中へと誘う。

キャッチ。クリーンで持ち上げられたバーベルを大胸筋上部、鎖骨の下で保持する。上腕部はもとより盛り上がった大胸筋、緊張する腹筋、肩の筋肉が悲鳴を上げる。ここからだ。

両足の反動を使い、一気にバーベルをプレスする。


全身の筋肉が一斉に収縮し、バーベルは天空をめがけて上がっていく。上腕三頭筋は盛り上がり、キャノンボールデルトはその密度を増す。成功だ。静寂・・・。

トップで保持していたバーベルを再度キャッチ。地面へと降ろす。まだだ。
再びクリーン。身体は悲鳴を上げ、「もう、やめてくれ」と叫ぶ。しかし、ここではやめない。むしろ始まったばかりだ。繰り返し、繰り返し、握力が尽きるまでクリーンアンドプレスを行う。



AM4:30やつらは涎を垂らして眠っているころだ。俺だけが筋肉を強制的に発達させる至福の時間を楽しむ。しなるバーベル。心肺機能も鍛えられるのがこのエクササイズの利点だ。



早朝に行うクリーンアンドプレス。



身体からは成長ホルモンが否応なしに引き出され筋肉は成長するしかない。全身が巨大化するこのエクササイズ。ここは究極の筋量を求める世界。

2012年4月21日土曜日

究極の筋量 vol.8 首の筋肉を極限まで鍛える。アマゾンネックを完成させろ!

昔のアイアンマン誌に出てくるキャッチコピー。これが想像力を掻き立てるのには良かったんだよなぁ。

「大地を揺るがせ!モンスターカーフ」「アナコンダの這う背中」「すべてを握りつぶせ!」
「スカイハイ・バイセップス」「デビルウイング」「タイタニック・トライセップス」

これを書いているだけでも各部位がパンプアップしてくる感じだ。

そんな中で「首」について書かれた記事はほとんどない。そこで、今回は究極の筋量を備えた身体には究極の首が必要不可欠であることを伝えたい。

そもそも、完全なる肉体のバランスの基準では首、上腕、カーフのすべてが同じサイズでなければならない、とされている。(筆者は首40cm、上腕42cm、カーフ45cm。いささかボトムヘビーだ。)

近年、目立った首を有しているのはハンマー投げの室伏選手であろう。
あの首の太さ!!耳の両側から盛り上がった首は僧帽筋まで幅を増して降りてゆく。前後左右と首を観察すると、正面から見た太さ(つまり幅)だけではない、前後の厚みも相当なものだ。

想像てみてほしい。ムッキムキに張ったTシャツからはみ出る盛り上がった上腕筋、前腕。
ピッチピチの大胸筋に張り裂けそうな広背筋。
そして丸首シャツからそびえるエンパイアステートビルのようなその「首」・・・。

これはジムではやりのニューファッションなマシンで得られる筋量ではない。

オールドスクールなトレーニングで得られるものだ。

もちろんレスラーブリッジは真っ先に行ってほしい。これは基本トレーニングだ。
そして、最近私がはまっているトレーニングはタオルを「噛んで行う」ネックフレクションだ。

タオルにプレートを通してその両端を噛む。そしてあらゆる方向に頭痛がするまでタオルフレクションを行うのだ。座って、寝て、両サイド、前後左右、ひねることもできる。
ヘッドストラップなどという陳腐な補助具にはたよらない。タオルを噛むというのがポイントだ。
噛むことで顎はアイソメトリック的に鍛えられる。もちろん、血管が絡み付く樹木、アマゾンネックの完成だ!

必要なのはタオルとプレートだけ。さぁ、アマゾンネックを完成させろ!
3ヵ月たって、シャツに首が通らなくなっても知らないぜ!

2012年4月11日水曜日

究極の筋量 vol.7 厚みをつける最終兵器 デッドリフト

厚みをつける最終兵器 デッドリフト

もう二十年以上前だっただろうか?月間ボディビルディングにこんなキャッチコピーで記事が掲載されたことがあった。
実はこの号だけを私は持っていてバイブル化している。

この記事は日本人にとってなぜ、デッドリフトが必要か?ということが書かれており、大変わかりやすく、そして説得力のあるものだった。

もともと欧米人は背中の筋量について、発達しにくいというのがないのかもしれない。ある程度のロウイング種目だけで背中は十分に発達する。
多くの日本人は背中の広がりや厚みを得るために相当の努力が必要。その要となる種目がデッドリフトである・・・。こんな記事だった。

デッドリフトは私が最も好きなエクササイズだ。あのバーがしなる感覚。バーベルプレートの枚数。持ち上げる瞬間、背中にかかる重量感覚。全身を鍛え上げるこの種目は究極の筋量を得るために避けては通れない種目であろう。

マイケル・フランソワの背中をみたことがあるか?ギリシャ神話のパルテノン神殿の石柱の如く、筋肉が盛り上がっているのだ。
フランコ・コロンボのラットスプレッドバックを見たことがあるか?腕と背中の間には隙間がない。つまり、背面からは向こう側が見えないのだ。現代のボディビルダー達のラットスプレッドがお粗末だと言える人間がフランコ、その人なのだ。

身震いがするほどの背中の厚み。
彼らが背中のトレーニングで最初に行うのはデッドリフトだ。それも低レップでシングルレップに挑戦するというもの。シングルレップのデッドリフトは背中に永遠の厚みをもたらす。
永遠の厚みとはアーノルド・シュワルツェネッガーが現役時代に求めていたものだ。

背中を左右半分に二分する、僧帽筋から脊柱起立筋にかけてのライン。どっかりと二つの筋肉の隆起がまるで山脈のようにもりあがる。僧帽筋から首にかけてのラインもまた素晴らしい。太い蛇がうごめくような盛り上がりだ。そしてこの血管はどうだ!シングルレップとハイレップスのデッドリフトを組み合わせれば究極の背中が完成する。

さらには、ハムストリングスを見てほしい。幾重にも筋繊維が走り、チーズをすりおろせそうなほど深く刻まれたカット。レッグカールなんかでは到底与えることができない刺激が、デッドリフトではハムストリングスを直撃する。カーフから首に至るまで背面部全てにデッドリフトの刺激は響き渡る。

背面をみればそいつがデッドリフトを行ってきたかどうかはすぐにわかる。少年と男を区別するもの。それほど、デッドリフトという種目は体型を変える。これこそがボディビルの醍醐味。

もちろんストラップなんかは使ってはならない。リフティングベルトなんかも不要だ。
オルタネイト・グリップ、フックグリップを駆使して、自分自身の握力を信じるのだ。究極の前腕の発達にはデッドリフトが要の種目となる。むしろ、強力な握力を得るためにデッドリフトを行うのだ。

厚みをつける最終兵器デッドリフト。ラットプルダウンでは到底得ることのできない背中の厚み。
さぁ、今すぐ外に飛び出し、バーベルを握りしめデッドリフトを行うのだ。今すぐに!

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2012年4月10日火曜日

究極の筋量 vol.6 筋幻惑法で筋肉をだませ! バリエーションが筋肉を発達させる

来る日も来る日も重いウェイトを上げ、筋肉の上に筋肉を積み重ねていく。

しかし、筋肉は頑固だ。現状維持、つまり変化をしないことが身体にとって一番楽なので筋肉は一定の負荷にすぐに慣れ、成長よりは現状維持をしようとする。

負荷に筋肉を慣れさせないようにしなければならない。

たとえば、上腕二頭筋を鍛錬する場合の例として、3種目を行っているとしよう。

バーベルカール、プリチャーカール、コンセントレーションカールという順番でPOFトレーニングとしては完璧なはずなのに、一向に筋発達が得られない。このプログラムを採用した当初はいい感じで筋量が充実し始めたのに・・・。

こんなことはないだろうか。

これは筋肉がトレーニングに慣れてしまっているのだ。

こんな時はあらゆる組み合わせパターンを変えてみよう。
例えば・・・

1.バーベル種目をダンベルに変える
2.エクササイズを行う順番を変える
3.レップスを繰り返すテンポを変える
4.3種目をトライセットで行う
5.2種目はスーパーセットで。あとの一種目は通常に行う。
6.すべてをマシンで行う
7.すべてをフリーウェイトで行う
8.行う曜日、時間帯を変える
9.ダブルスプリットで一回目はフリーウェイトで、2回目はすべてマシンで行う。
10.ピークコントラクションを得るためにトップポジションで10秒間は収縮させ続ける

などなど。少し考えただけでもいろいろなバリエーションが考えられる。

筋肉を鍛えるのにこうでないといけないなどという不変の真理など存在しない。筋肉はかかっている負荷に対してそれが漬物石なのか、ケーブルスタックマシンなのかを理解しているわけではない。
理解しているのはあなた自身で筋幻惑法でだましたいのは筋肉であり、あなたが騙されないようにしなければならない。



2012年3月30日金曜日

究極の筋量 vol.5 巨大なリブ・ケージを備えたギリシア神話の神々ような筋肉を得るためには?

究極のサイドショットを取るために必要不可欠な要素とはなんだろうか?

答えは究極のリブケージ、胸郭である。

現在のボディビルディングにおいて胸郭の重要性はそれほどはない。
しかしながら、昔のボディビルディングを知るものならば現在のボディビルダーのフィジークに違和感を覚えているだろう。

なぜなら胸郭があまりにも小さすぎるからだ。
圧倒的筋肉量で世を席巻したロニー・コールマン。しかし、アーノルドのサイドチェストと並ぶと、見る影ももなくなってしまうのはどうしたことだろう?筋量に関しては現在のボディビルダーの方が圧倒的に有利だとしても、だ。

そう、リブケージ。胸郭の深みなくして、究極のサイドショットは完成しない。
完全に広げられた胸郭に最大限に発達した大胸筋を乗せてこそ、最高のサイドチェストポーズが成立するのだ。胸郭が広がることでウエストと胸囲の差が大きくなり、よりV字型の体型が強調されるのだ。
そしてこれにバキュームポーズを合わせることで、完全なるサイド・チェストが完成するのだ。

ギリシア神話に登場する、神々を見てほしい。完全なる肉体にはリブ・ケージの深みが絶対条件なのだ。筋量と骨格。そしてバランス。全体の筋肉の調和。

胸郭を広げるための唯一の種目、それがプルオーバーだ。
ブルオーバーを行うことで前鋸筋も最大限に鍛えられ、身体を正面から見たときの大胸筋周辺のディテールも立体感を増す。そして、広背筋、上腕三頭筋も同時に鍛えられる。もちろん、大胸筋も前腕も。

ダンベルで行うか?バーベルで行うか?どちらでも良いと思う。クロスベンチにして一つのダンベルを使用し、腰を落として行うのが胸郭を広げる上では一般的かも知れない。

ベンチを縦に(つまり通常通り)使用し、ダンベル2つをそれぞれの手に持って行う方法も良いだろう。つまりどんな方法でも良い。フリーウェイトでプルオーバーを行う、ということだ。

かのミスターユニバース、杉田茂氏は両手にそれぞれダンベルを持つプルオーバーで片方60kg以上のものを使用していたというから驚きだ。つまりは両手であれば120kg以上の重量でプルオーバーができる、ということだろう。これは現在のプロビルダーでも真似のできない重量だろう。

しかし、大切なのは重量ではない。どれだけその種目の効果を信じ、のめり込めるか?
プルオーバーで鍛えられる部位は?上半身すべてだ。上半身すべての筋肉の筋肥大、究極のリブケージ。プルオーバーなくしては得られない。

2012年3月11日日曜日

究極の筋量 vol.4 劇的に体重を増加させるブリージング・スクワット

体内の成長ホルモンを過激に分泌させる方法をご存じだろうか?
これから公開する方法は20年前に公開されていた方法なのだが、今読み返しても気持ちが悪くなる。

成長ホルモンを注射するわけでもないし、経口剤で飲む訳でもない。

やることはただ一つ。

朝起きたら、スクワットをすることだけだ。

馬鹿らしい、だって?まぁ、聴いてほしい。ここで紹介する方法はブリージングスクワットと呼ばれるものだ。
「あぁ、知ってるよ。深く呼吸しながらハイレップスのスクワットをするんだろ。俺には効果がなかったぜ。」という声がするが、そんなものには耳を貸さない。

効果の程はお墨付きだ。何十年も前から偉大なるボディービルダー達はこの方法で短期間で究極の筋量を得ることに成功している。

スクワットを始める前にまずは前日までに準備しておくことがある。
スクワットラックにバーベルをセットしておくこと。
重量はあらかじめ計画しておくこと。

この2つだ。

特に重量の選択は十分検討して欲しい。ここでは連続で10repsが限界となる重量を用いて休憩を挟みながら20repsを行ってもらう。

この「連続で10repsが限界」という重量をまずははじき出す。たとえばこれを140kgとしよう・・・。

朝。目が覚めると時計を見た。AM5:30だ。ベッドから起き上がるとコーヒーを入れる。
コーヒーを飲みながらトレーニングウェアに着替え、あなたは外にでる。
雨だ。雨は屋根に降りかかり、スクワットラックは湿気を帯びている。

ウォームアップ用の重量は昨晩セットしておいた。バーベルを担ぐと軽く20reps。
バーをラックに戻し、少し重量を増やす。再びウォームアップセットだ。今度はゆっくりと10reps。

OK。バーベルを140kgにセットする。ここからが本番セットだ。

トム・プラッツをイメージしろ。彼ならば1時間連続のスクワットをこなすだろう。

バーを担ぐと連続で10repsを行う。10reps目はキツイ。
通常のトレーニングであれば、ここでバーをラックに戻すだろう。ただ今朝は違う。
バーを担いだまま深呼吸をする。吐く息は白い。
なんとかもう1repはできそうだ。

11reps。ヤバイ。もう一度呼吸を整える。20秒ぐらい休んでいるだろうか。もう1repはできるか。

12reps。この調子でだましだましでもなんとか15reps目まではできるだろう。太腿が震える。
こんどはカウントダウンだ。あと5reps。
もう一度深呼吸をして身体を沈めていく。太腿が悲鳴をあげる。バーを握りしめる両手にも力が入りバーを担ぐ僧帽筋にも血管が走る。

16reps。あと4reps。
カーフまでもがカンカンにパンプしこれ以上行えば痙攣寸前だ。ハムストリングスは風船のように膨らんでいる。大腿部だけではもはや身体を支えることはできず、大臀筋はアゲハチョウのようにその翼を広げる。呼吸だ。肋骨はもう広がる肺を押さえつけることができない。

17reps。あと3reps。固有背筋が悲鳴を上げる。姿勢を保っているのがつらい。

なんでこんな苦しいことを朝っぱらからやっているんだろう。ああ、温かい布団のなかでもうすこし眠っていれば良かった・・・。クソッ!

18reps。あと2reps。ここまできたぞ。やればできる。やればできる。やればできる。
体中の毛細血管に大量の血液が送り込まれる。心臓は激しくまるでハーレーダビッドソンのように鼓動する。

19reps。もう感覚がない。あるのはあと1repという目標だけだ。ウォームアップセットを行ったのはいつだっただろう。10reps目はいつのことだっただろう・・・。深く呼吸をする。そして身体を沈めていく。

20reps。

やった。バーベルをラックに掛けるとその場に仰向けに倒れこんだ。
心臓は脈打ち、血管は膨らみ、頭痛がする。全身がパンプアップしている。なんだこの感覚は。

よろよろと、こんどはフラットベンチに横になり、あらかじめセットしてあったダンベルでプルオーバーを開始する。ここでも連続10repsが限界の重量で20repsだ。

スクワットと同じ苦痛が今度は上半身を襲う。プルオーバーがこれほどまでに上半身を痙攣にまで追い込む種目であることを思い知るだろう。ダンベルを降ろした時にはミリミリと肋骨から筋肉が引き剥がされるような感覚。

20reps。上げきったダンベルを保持する力はもうない。ダンベルを地面に落とすと、起き上がれるようになるまでの時間が永遠のように感じられた・・・。

朝起きてすぐのブリージングスクワットを行うことにより、身体は非常事態にさらされる。
なんとかしてこの非常事態から自分自身を守るため、体内では様々なコマンドが発せられ、
筋肉も骨も腱も血も全ての細胞が身体を守るために活性化する。

1年で10kgの筋量アップも可能だ。ただし、あなたが、これを1年間続けられたらの話だが・・・。

ブリージングスクワットは究極のトレーニングだ。究極のトレーニングなくして究極の筋量はあり得ない。さあ、今すぐスクワットを開始するのだ。真夜中でも。雨でも。明日に何があろうとも。

2012年3月10日土曜日

究極の筋量 vol.3 トレーニングギアに頼らない素の力。本当の筋力とは

究極の筋量を得るためには信じられないほどの重量を繰り返し、繰り返しリフトする必要がある。
先月のマッスルアンドフィットネスでロニー・コールマンが語っていたように、
「ミスター・オリンピアになりたいという人はたくさんいる。しかし、これほどの重量を持ち上げたいという人はいない」

これを支えるのは強靭な握力である。どのような重量を持ち上げる、引くにしてもまずはその重量そのものをその手に保持できなければお話にならない。
じゃあ、リストストラップやフックを使えば?とい声が聞こえてきそうだ。
しかし、私の意見ではこれは使用しないほうが良いと思う。
自分の力で保持できないものは持たない方が良いのだ。もし持てない重量に出くわしたら時間をかけて握力を鍛える。
そのうちに持てるようになる。安易にストラップなどの補助器具に頼るようなことがあってはならない。これは怪我を防ぐという意味でも重要なことだ。

そのためにオルタネイト・グリップをマスターし、フックグリップを習得し、キャプテンズ・オブ・クラッシュ・グリッパーをやり込み、イバンコのスーパーグリッパーで鍛錬する。
高重量のバーベルによるホールド・エクササイズもいいだろう。
極太のマヌス・グリップを使用してホールド力を強化するのも良い。

もし、200kgのバーベルでデッドリフトするとき、ストラップなしでこれができるのなら、明らかにその人の前腕は常人に比べて発達しているはずだ。これがストラップの力によるものならば、胸を張ってデッドリフトで200kgを上げられます、とは言えないはずだ。人には言えても自分自身ではストラップなしではデッドリフトができないないことを知っている。
あなたの魂はあなたよりも正直なのだ。

補助器具に頼ることなかれ。リフティングベルトをつけるぐらいなら腹筋を鍛え、背筋を鍛え抜き、腹圧を高める術をマスターすることだ。そうすることで腹筋はは割れ、固有背筋群は盛り上がる。

現に私はストラップなし、ノーベルトで200kgのデッドリフトができる。
町のジムにはビジターで数か月に一回、フラッと立ち寄るが、ジーンズ姿でデッドリフトを披露すると、きらびやかなトレーニングウェア、ストラップ、ベルトで身を固めたジム会員たちは唖然とする。
おかしなものだ。彼らが欲しいのはこんな力ではないのだろうか?
奴らの最高重量は私にはウォームアップだ。

究極の筋量を得るためのトレーニングはファッションではない。ジムは社交場でもない。
チャラチャラした補助器具に頼るものでもない。自分自身の素の力をもって極限の重量に挑むのだ。その肉体が精神を凌駕するまで。

2012年3月9日金曜日

究極の筋量 vol.2 理解を超えたトレーニング。根性がためされる80年代のトレーニングとは?

究極の筋量を得るためには究極の鍛錬をその身に課さなければならない。
人間の理解を超える筋量をその身に纏うには人間の理解を超えるトレーニングを行わなければならない。わかるだろう?

限界を超える努力をしなければ限界などわかるはずもない。むしろ限界など考えずにトレーニングをするべきだ。脳のリミッターを解除するのだ。

トム・プラッツの規格外の大腿部はどうして作り上げられたのかって?
議論する必要もないだろう。
規格外のトレーニングを行ったから完成した珠玉の大腿部である。
1時間も連続でバーベルスクワットを行うボディビルダーが現在いるだろうか?

いない。

180kgのバーベルでフルスクワット50reps。キチガイだと思う前に出来る人間がいるのか?

だからトム・プラッツの脚を超える人間がいないのもうなずけるだろう。

サンプレイの宮畑会長と石井直方氏が45kgのダンベルショルダープレスを100回連続で交代しながらセットを繰り返していたのは有名な話だ。こんな気違いじみたトレーニングを行うものは他にはいない。

ミスター日本になるためにはどうすれば良いのか?
現ミスター日本の2倍苦しい練習すれば良い。

簡単なことだろう?

1980年代は狂気のトレーニングがもてはやされたボディビルトレーニングの黄金時代だ。
気の遠くなるような長時間のトレーニング、筋肉が張り裂けんばかりの高強度トレーニングなどなど。ウィダーのトレーニング法則もこの時代で確立されていったのだ。

そのなかでも極めつけはかつ最も単純だが最も難しい漸進性負荷の理論。つまりオーバーロードの原則であろう。

常に昨日の自分を超える努力をする。
これはトレーニングだけにおけるものではない。ボディビルの基本原則と言っても過言ではないだろう。

トレーニングにおいては常に前回の自分を超える努力をする。時間、重量、筋収縮の強度などなど。前回を超える要素はいくらでもある。

しかし、前回のトレーニングを超えること。これが難しい。
前回できたことができない。こういうこともあるだろう。

これをドリアン・イエーツは"言い訳"と言っていた。
完全な超回復のリズムを把握していればこんなことは起こらない。

インスティンクティブ・トレーニングもすべて前進するためのものでなくてはならない。
調子が悪いから身体の声を聴いて休もう(インスティンクティブ・トレーニング)
こんなのはただの怠慢だ。

食事についてもしかり。内臓も筋肉でできている以上、オーバーロードの原則に従い、食べる量、質ともに増大させていく必要がある。

当たり前の食事では当たり前の身体しかできないのだ。

手当たり次第に食料を詰め込めば良いというものではない。やはり3大原則であるタンパク質、炭水化物、脂肪をバランス良く、これを適切なタイミングで大量に体内に取り込み、吸収させなければならない。朝食抜きなんていうのはボディビルダーとしては最低だ。野菜は肉の3倍量を食べなければならない。いや、もっと食べても良いだろう。ビタミン、ミネラルは身体にとって重要な要素だ。

食事に関しては自然な食品からすべてを取ることを心がけたいものだ。量的に苦しいからとサプリメントに頼るようなことはあってはならない。

言っただろう。

規格外の身体が欲しいのであれば規格内のことをしていてはダメだ。

身体の声を聴くとは身体が欲しているものを的確に見極めるということ。

調子が悪ければ調子が悪い原因があるはずだ。
トレーニング。休息。回復。食事。
原因を見極め、改善し、次のトレーニングにフィードバックしていく。
トレーニングとは日々の積み重ねである。

2012年3月1日木曜日

究極の筋量 vol.1  ペインゾーンに生きるビクター・リチャードのトレーニング

人はどれ程の苦痛に耐えることができるのであろう。
人はどれ程の苦痛を経てどれだけの筋肉をその身に纏うことができるのだろう。
人が驚愕するその筋肉を得るためにどれ程の苦痛に耐えてきたのだろう。
人はなぜ麻薬的な筋肉増強の世界に陶酔するのだろう。

痛みに耐えうる者だけが究極の筋量を得ることができる。

そう、それこそが究極のペインゾーンである。
ここでは時空さえも歪めてしまうほどの圧倒的筋量が支配する世界。
記憶ではこれについて記述された雑誌記事はマッスルアンドフィットネスのビクター・リチャードに関するものだけだ。
ビクター・リチャードのトレーニングについて語るとき。
それは自分の常識が全く通用しない世界であるということを認識しておいて欲しい。
上腕囲は60cmを遥かに超え、大腿部は90cmをも超える超人。
しかし数値だけで彼を判断してはならない。全身がバランス良く発達した筋肉の塊で覆われているからこそ、彼の肉体が発するインパクトが凄まじいのだ。

そして、そのトレーニングたるや・・・

午前中をまるまる使ってレッグプレスをする・・・。
想像してみてほしい。自分の脚が化け物のように膨れ上がり、力を入れることもままならず、モンスターパンプが全身を駆け巡る。何千レップ繰り返すことができるだろう。心臓はこのパンピングアイアンを支えるため無限に鼓動することを余儀なくされ、それでもペインゾーンに身を置く限りはこのモンスターパンプと戦い、そして勝たなければならないのだ。

レップに次ぐレップ。大腿部の筋肉は悲鳴をあげ、ウェイトを上げるために臀部もハムストリングスもカーフもすべての筋肉が総動員される。これはただのレッグプレスではない。ウエイトが勝つか、あなたが勝つか。

壮絶な死闘の末、最後のレップを完遂させる・・・。とどこからともなく声が聞こえてくる。「まだだ。」
あなたは再びウエイトを下ろし始める。これを何度も、何度も繰り返す。血の流れが大腿部を破裂させるのでは?と感じるほど皮膚は張り裂けんばかり。筋肉はカンカンにパンプアップしている。

最後には完全にパンプアップし切った大腿部はもう血の入り込む余地がないほどに膨れ上がり、血管は触れば破れそうなほど張りつめている。下半身すべての筋肉がこのような状態になって初めてあなたは満足する。

いや、満足する?

「まだだ」心の奥底から声が聞こえる。

そしてあなたは再びウエイトをおろし始める・・・

これを求め行く魂の叫び。果てなき渇望。
究極の筋量を得るためには究極のトレーニングをその身に課さなければならない。