2012年4月24日火曜日

究極の筋量 vol.9 永遠の厚みをもたらす究極のパワーエクササイズ

アーノルド・シュワルツェネッガー全盛の1970年代、彼らが求めたのは永遠の厚みであり、全体的な深みであった。それはボディビルディングエクササイズだけを行っていたのでは到達できないもの・・・。



当時のボディビルダー達はボディビルエクササイズとは別にパワーリフティング、ウェイトリフティングも同時に行っていた。



現代のボディビルダー達には見られない筋肉のデンシティの違いはここにある。



特に絶対に行っておきたいエクササイズはバーベルを用いたクリーンアンドプレスである。
これを行うことで背面部の筋肉すべてと筋肉を連動させて使う能力、バランスなどが一気に鍛え上げられる。ラットプルダウンなんかでは得ることのできない、筋肉の奥まで響くガツンとした刺激。


これこそがボディビルの醍醐味だ。



時刻は午前3時半。朝というよりは深夜に起きるとまずはコーヒーを飲む。
自宅のガレージにはヘビーウェイトが設置された自作のジム。そこで俺は今日も高重量に立ち向かう。
気温0度。凍てつくバーベルに両手が張り付きそうだ。バーにプレートをセットしてウォームアップを行う。クリーンアンドプレス。このエクササイズを行うと身体は目覚め始める。
1rep、1rep・・・。リストストラップなんかはもちろん使わない。
ウォームアップを終えると一気に重量を増やしていく。背面から見た背中は筋肉がはみ出し、まるで海底を縦横無尽に泳ぎ回る「エイ」のようにその筋肉を広げている。

前かがみになり、バーベルを握りしめる。ローレットの感触を両手に感じる。鉄の匂い。身体から昇る湯気・・・。


クリーン。背面の筋肉は一気に収縮し、カーフ、ハムストリングス、脊柱起立筋、僧帽筋、広背筋、首までの筋肉が一斉に協調し、この高重量を地面から空中へと誘う。

キャッチ。クリーンで持ち上げられたバーベルを大胸筋上部、鎖骨の下で保持する。上腕部はもとより盛り上がった大胸筋、緊張する腹筋、肩の筋肉が悲鳴を上げる。ここからだ。

両足の反動を使い、一気にバーベルをプレスする。


全身の筋肉が一斉に収縮し、バーベルは天空をめがけて上がっていく。上腕三頭筋は盛り上がり、キャノンボールデルトはその密度を増す。成功だ。静寂・・・。

トップで保持していたバーベルを再度キャッチ。地面へと降ろす。まだだ。
再びクリーン。身体は悲鳴を上げ、「もう、やめてくれ」と叫ぶ。しかし、ここではやめない。むしろ始まったばかりだ。繰り返し、繰り返し、握力が尽きるまでクリーンアンドプレスを行う。



AM4:30やつらは涎を垂らして眠っているころだ。俺だけが筋肉を強制的に発達させる至福の時間を楽しむ。しなるバーベル。心肺機能も鍛えられるのがこのエクササイズの利点だ。



早朝に行うクリーンアンドプレス。



身体からは成長ホルモンが否応なしに引き出され筋肉は成長するしかない。全身が巨大化するこのエクササイズ。ここは究極の筋量を求める世界。