2012年6月13日水曜日

究極の筋量 vol.13 使える筋肉はケトルベルで作る

究極の筋量を所持するスーパーヒーローが全く見せかけの筋肉であったなら、驚嘆の眼差しなど得ることはできない。

筋肉を身に纏う、極限まで肥大した筋肉を身に着けるということと、その筋肉を効率的、効果的に動かすことができる、ということは異なる。

なぜなら、極限まで筋肥大を求めるボディビルディング(筋肥大だけがボディビルではない、ということは断っておくが)では可能な限りトレーニングの対象筋を他の筋肉からアイソレートして鍛え上げるがために、全体の協調性という観点からは全くの逆のトレーニングが必要となる。

つまり、トレーニング対象の筋肉だけでウエイトを動かす、ということだ。

これに対して、日常生活や、スポーツ、緊急時、災害時など一般の人間が必要とするいわゆる「筋肉」というものは身体全体を協調させて動かす、動くことのできる身体が良しとされる。ここでは極限に肥大した筋肉を賛美するのではなく、その身体を自由自在に操ることが必要となる。

つまり、身体全体を使って筋力を発揮する、ということだ。

ではこの2つを同時に得ることは可能だろうか?

答えは可能だ。

これを実現するためにはウエイトトレーニングの行い方を工夫すれば良い。
筋肉を協調させて使用するトレーニングを行えばよいのだ。

もともと、ボディビルディングだけを行っていたが、先の記述のように、どうすればこの筋肉を連動させて使えるだろう、と考えたときにウエイトリフティングにたどり着いたのだが、最近のトレーニングジムでクイックリフトを行うためのスペースが限られているということ、指導者が少ないために正確なフォームの習得に時間がかかるということ、などから町のジムでのクイックリフトを断念し、ホームトレーニングでのみ、クイックリフトを行うようにしたのだ。

しかし、バーベルをクリーンするなど、徐々に重量が増え始めると、ホームスペースでは危険を感じるようになった。(140kgを自宅でクリーンしている姿を想像して見て欲しい)

そこで目に止まったのがケトルベルである。

ケトルベルで全身を鍛錬するようになってから、やはり身体全体を使うトレーニングの楽しさを体感し、実際に効果があることからこの有用性を実感している。

極太のグリップを握りしめているだけでも前腕は強制的に太くなる。
また背面部に対してのケトルベルの効き方は尋常ではない。

ケトルベルトレーニングでは主にバーベルやダンベルでは行わないトレーニングを行うのが良いようだ。

スイング、スナッチ、ウインドミル、ゲットアップ、ジャーク、ボトムアッププレス、オーバーヘッドスクワットなどなど・・・。

ボディビルトレーニングの日とケトルベルトレーニングの日を分けることで極限に肥大した究極の筋量を持つ身体を自由自在に動かすことができるようになる。これを試さない手はない。

ちなみに我が家にはケトルベルが16kg~50kg(いずれも天山クラシックシリーズ)まであるがこれは宝物だ。

究極のトレーニングプログラムにはぜひともケトルベルを組み込んで欲しい。



2012年6月10日日曜日

究極の筋量 vol.12 正しいフォームで行うフリーウェイトのすすめ

ビンス・テイラーのトレーニング記事でこんなのがあった。

「ウエイトを正しくA地点(始点)からB地点(終点)にまっすぐ動かす。筋力が落ちてきたら(つまり疲れてきたら)途中のC地点(通過点)までしか動かない。最後には全く動かすことができず、A地点のままである。」

これはどういうことかというと、反動などを用いてB地点へウエイトを移動させるために仮にD地点(軌道を外れている地点)を通過するような軌道をとると怪我につながる、ということだ。

もちろん反動を使うな、ということではない。チーティングであれ、フォーストレップスであれ、A地点からB地点へまっすぐウエイトを動かしているなら怪我をすることはまずない。たいてい、無意識であっても微妙にD地点へ軌道がそれてしまっている場合があるのだ。
この場合、怪我をする確率は上がってしまう。フォーストレップで補助者が軌道を変えてしまう場合があるがこれは最悪のケースだ。

激しくトレーニングするのとフォームを崩すのとは違う、ということを肝に銘じて欲しい。
反復練習によって身体に正しいフォームを叩き込むのだ。
どのような場合であっても正しい軌道を通るトレーニングを心がけねばならない。

チャンピオン達のトレーニングをビデオを見る機会があったら良く見てほしい。
結構チーティングを使っている人が多いが、この軌道を外さないという部分が卓越している。つまり、筋肉に効かせるということをマスターしているのだ。

欲しいのは究極の筋量であって痛みを伴う怪我ではないはずだ。

欲しいのは乳酸による焼けつくような痛み。筋肉の燃える感覚。怪我の痛みではないはずだ。


2012年6月8日金曜日

究極の筋量 vol.11 ビジュアライゼーション

20年以上前のマッスルアンドフィットネス誌にこんな記事が掲載された。

「想像力を生かしたボディビル」

ひとりでトレーニングを行う場合でも想像力を利用してあたかもトレーニングパートナーがいるかのようなトレーニングを行うこともできるし、ひとりでフォースト・レップも種目によっては可能である。

かのアーノルド・シュワルツェネッガーも自分の上腕二頭筋が盛り上がり、皮膚を突き破って山のようにそびえ立つようなイメージを描いてカールを行ったというし、トム・プラッツはスクワットのときにプレートどうしがぶつかってガチャガチャという音がエンジン音であるかのようなイメージをしたという。

想像力を生かしたボディビルとは自分がなりたいヒーローをまずイメージする。
(私の場合はドリアン・イエーツだ。)

そしてドリアンのトレーニング哲学、トレーニングスタイル、栄養摂取、カーディオ、プライベートに至るまで情報誌から読み取り記憶する。

そしてトレーニングのときに目を閉じ・・・。目の前にドリアン・イエーツが立っている姿を想像する。

そう、あなたのトレーニング・パートナーは偉大なるドリアン・イエーツなのだ。

今日は胸の日だ。インクラインベンチに横たわりウォームアップ。ウェイトを上げ下げするスピードはビデオ「ブラッド&ガッツ」で見たテンポの通りだ。

あなたのウォームアップが終わると今度はドリアンの番だ。巨大な大胸筋がみるみるパンプアップしていく。ここではあなたがリロイ・デービスなのだ。

プレートを積み重ねウェイトを上げ下げする。あなたのトレーニング・パートナー「ザ・シャドウ」は静かにあなたのレップを見守る。

そして本番セットだ。究極のパワーを発揮するあなたのインクライン・ベンチプレス。ドリアンが最後の数センチだけ指を添えようとするが、あなたの力強いベンチプレスはギリギリ助けを必要とすることなく、ラックアップすることができた。

今度はドリアンの番だ。あなたが見つめる中、淡々とレップを重ねていく。

休息時間はトレーニング・パートナーが種目を行っている間だけだ。

想像力を生かしたボディビルではこのようにして雑誌やインターネットから得たボディビルヒーローをあなたのトレーニング・パートナーまたはトレーニング・コーチとしてイメージングし、一緒にトレーニングを行うのだ。もちろん、すべてのトレーニングで一人のヒーローをイメージしても良いし、部位毎に、例えば広背筋はリー・ヘイニー、脚はトム・プラッツ、上腕二頭筋ならロビー・ロビンソンという具合にイメージしても良い。

もう、こうなってくるとトレーニングが楽しくて楽しくて仕方がないハズだ。なぜなら、トレーニングを行うたびにあなたには伝説のヒーローがトレーニング・パートナーとなってくれるのだから。

バーベルが折れそうなほどの究極のトレーニングを終えたあともあなたのトレーニング・パートナーはポージングのチェックを一緒に行ってくれる。

ポージングを行うのはそう、あのゴールドジムのポージングルームだ。(雑誌によく載っているやつだ!)

サイド・チェスト。「だいぶん、形になってきたね。でも肋間筋のディティールが良くない。もっとプルオーバーをやってみよう」

バック・ダブル・バイセップス。「大円筋をもっと張り出すように。肩甲骨をコントロールするんだ。」

アブドミナル&サイ「脚に力を入れて。そう。腹筋がダメだ。アブ・ローラーをもっとやりこもう。大胸筋の下部の輪郭がはっはりするようにもっとディップスを行わないと」

こんなやりとりを想像の中で行うのだ。

ちょっと気違いじみているかもしれないが、このやり方はあなたのボディビルトレーニングに奇跡をもたらす。

これが現在ではビジュアライゼーションという名前で世に広まっているトレーニングなのだ。
いつの日か、誰かのイメージング・ヒーローはあなたになっているかも知れない・・・。

2012年6月7日木曜日

究極の筋量 vol.10 ミスター・パーフェクト 苦手種目を克服する

もし、苦手種目があるのなら、その苦手種目にとりついてやろう。
その種目を溺愛し、トレーニングのたびにその種目を行う。
オーバートレーニングなんか糞くらえだ。完璧な肉体を目指すのなら、苦手種目があってはならない。
パワーリフターでありボディビルダーであるアメリカ、テキサスのジョニー・ジャクソンはとにかくシュラッグを行うらしい。いつでもシュラッグ。
あの恐竜のような僧帽筋の盛り上がりといったら尋常ではない!
もし、僧帽筋が弱点ならばシュラッグを徹底的に行うのだ。

バリスティックな刺激をもとめて始めたケトルベル。
当初、スナッチが難しく、何度も前腕にケトルベルを打ち付け、痛みと戦い、もういいや、やめた、としばらくスナッチをしない時期があった。つまり、苦手種目だったのだ。

しかし、アーノルド・シュワルツェネッガーの昔の記事を引っ張りだし、苦手種目からトレーニングを開始する、という記事を読んで奮起。

ケトルベル・トレーニングを行う際には必ずスナッチから行うようになった。

その甲斐があって今ではワンハンド・スナッチを32kgのケトルベルで連続20回できるようになった。
もちろん、調子の良い日、悪い日はある。重量を狙えない日は16kgのケトルベルでスキルを向上させるべくフォーム重視で回数をこなす。無駄な日など一日もない。

現在、40kgのスナッチに挑戦している。

もちろん広背筋は極度に肥大し、前腕は極太になった。ケトルベルを行ったことがあれば、32kgのケトルベルの遠心力がどれほどのものかおわかりだろう。

ワンハンド・スナッチは今では苦手種目ではなく、心拍数を上げ、肩、腕、背中を鍛える私のフェィバリット種目なのだ。

苦手種目を克服できればその達成感がさらなる向上心につながる。
これは筋力トレーニングに限ったことではないだろう。

もし、苦手種目があるのなら、その苦手種目にとりついてやろう。そして、トレーニングを行うたび、その種目から開始し、常に重量、レップスの向上に努めるのだ。
いつしか究極の筋量が身体に宿っているだろう。